【いじめ問題】本当は取り上げたくない旭川女子中学生いじめ凍死事件について/第3者としてするべきでないこと3つと、私たちがどう向き合うかということ

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テレビのニュースよりもネットでより話題になっている旭川女子中学生いじめ凍死事件について。
事件の詳細は省略します。
第3者としてこのような話題を取り上げることは当事者の誰かを傷つける可能性があるためなるべく控えたいのですが、
インターネットを通してあまりにもひどい状況があるため第3者の立場からの問題提起をさせていただきます。

不適切な情報を拡散したくないため、動画やツイート等をここで紹介することはしません。
ただ、とにかく実際に関わりのない私たちがしてはいけないことを理解されていない方のために簡単にまとめます。
正義感や支援者として活動しているつもりでも、場合によっては自らが刑法や司法で裁かれる、要は加害者になりかねませんのでご注意下さい。

第3者としてするべきでないこと3つ

①被害者に関する写真や動画を見たり広めたりすること

被害者の画像等を無断で使用したり、拡散することは基本的に認められていません。
一部のメディアでは家族に同意を得て写真等を使用している場合がありますが、私たちのような第3者には一切そのような権限はありませんのでお間違いなく。
ツイッター等も画像を含む個人情報が含まれる内容は安易にリツイートしないようにしましょう。

また、インターネット上に不適切な動画や情報があったとしても興味本位で見ようとすることはやめましょう。
これは法律ではなくモラルの問題です。
第3者の興味に晒されることは、間接的に当事者を苦しませることになります。

②加害者、関係者特定

あまりにも残酷な報道内容に怒りを覚えるのは人間として当然のことだと思います。
どうして誰も守れなかったのか、自分のことのように加害者を恨み、被害者に代わり攻撃したい気持ちはわからないわけではありません。

しかし、それは本当に当事者が望んでいることでしょうか?
本人や家族が真実を知りたいと望んでいるとしても、彼らは自ら相手を晒上げることをしていません。

怒りに任せて加害者や関係者を特定し、ネット上に拡散する行為は被害者支援ではなく、逆効果になる可能性があります。
また、内容次第では逆に訴えられる可能性も十分にあります。

中には関係者を特定し、直接的に攻撃する人もいるようですが、ここまでいくと完全に加害者と同じ立場に立っていると考えてください。

③独断での支援の展開

被害者とは全く関わりのない人が独断で支援を呼び掛けているのを見かけました。
中には本当に支援したい人もいると思いますが、明らかな詐欺行為も含まれているようです。
いずれにしても、家族が望む支援以外を関わりのない人が独断で展開することはやめましょう。
善意であったとしても、家族はそれぞれの時間の中で一生懸命にできることをなさっていることでしょう。
その過程を知り得ない第3者のペースはときに家族の意思に反する結果を生むことがあります。
きちんとした形で発信された支援依頼以外の支援には乗っからないようにしましょう。

また、この話題にのっかって利益を得ようと活動している人がいます。
YOUTUBEではすでに多数の動画が投稿されていますが、再生回数が伸びています。
彼らは善意とはいえず、利益目的の人が多いので視聴者も気を付けましょう。

視聴者が再生することを止めることはできませんが、あまりにも個人情報や迷惑行為が含まれる動画は通報するなど対処しましょう。

第3者の立場として考えるべき重要なこと~心理師の視点から~

当事者が何を望むか

このような痛ましい事件を見聞きすると私たちの感情は揺れ動きます。
それは通常の心理です。

あまりにも残酷ないじめの内容を聞けば、加害者に敵意を持つことも当然です。
一人のかけがえのない命が失われた事実からは、なかには遠く離れていながらも自らの無力さを感じる人もいるでしょう。
守るべき存在だった関係者の対応を問い詰めたくなるのも民意の心理であることは明白です。

ですが、その渦中にいる当事者は何を思い、何を願っているのでしょうか?

現状のような騒ぎを望んでいるのでしょうか。

私たちにできることは、自分の中の怒りや悲しみを認めながらも関わったことのない当事者の思いに気持ちを馳せることからはじまります。

何重もの苦を与えない

このような事件が起きた時に、情報をどう取り扱うかはとても繊細な問題です。
どうしても報道されないと問題にならない風潮があり、今回の件も調査が開始されるまでにタイムラグが生じてしまいました。

また、社会的な変革には国民の意識化が欠かせません。
そのため風化させないための働きかけも一般的に重要となるでしょう。

しかし、注目を浴びるほどに本人が意図しなかったものが多数の人の目に触れることになりかねません。
収束するどころか新たな問題が発生し家族はそれまでの生活を取り戻すことが難しくなることもあります。
実際に見知らぬ人の過剰な反応や行動までもがニュースで取り上げられ、家族の目に入っていることでしょう。

かけがえのない命を守りたかった。
それなのに、本人がさらに傷つく状況を作っているとしたらとても悲しいことです。

自分と自分の周りの人を救うということ

私たちはまず自分を、そして周囲の人のことを考えてみましょう。
遠い場所で起こった悲しい事件ということではなく、一人一人が被害者にも、加害者にもなり得る存在なのだということから自分の周囲を見渡してみるのです。

毎年数百人の学生が自ら命を絶っています。
それぞれに生前関わってきた人はきっと相当数いるはずです。

自分がその一人かもしれません。

私たちにできることは、同じような悲しい事件が起きないように、自分と自分の周囲の人を見渡しましょう。
注目を浴びることなく、今まさに被害を受けている人がいるはずです。
大事になる前に止めてほしい加害者もいるはずです。

同じようなニュースを見ないで良いように、私たちにできることは私たちの周りにあるはずです。

いじめ問題に悩むあなたへ

SOSを出すのはとても勇気がいることです。
きっと誰にも言えず、耐え続けている人がいると思います。

一度話した人が、自分の思いを受け止めてくれず、さらなる傷つき体験をした人もいるでしょう。

あなたが守りたい人がいて、我慢していることもあるかもしれません。

無責任にこうするべきだ、ということは言いませんが、私はどんな状況でも自分を守ってほしいと思います。

誰かに言えないなら、まずは逃げてほしい。
自分にできる精一杯で一番に自分を助けて欲しい。
それだけは第3者の私からの切実なお願いです。

匿名でも相談できる相談先を載せておきますが、できれば身近な安心できる人を思い当ててくれることを願います。

子どもの人権110番

0120-007-110(全国共通・無料)

平日午前8時半~17時15分

法務局・地方法務省の職員、または人権擁護委員が相談に応じ、一緒に解決の方法を考えます。

詳しくはこちら:http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html

メールでの相談窓口はこちら:https://www.jinken.go.jp/

児童相談所

こどもに関するあらゆる相談に応じる全国共通の相談機関です。

189(全国共通)

詳しくはこちら:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/