児童相談所(ジソー)の闇!?/Youtuberコレコレチャンネルに寄せられた相談の背景を解説

児童相談所

コレコレチャンネルについて

みなさんはコレコレチャンネルKoreTubeを知っているでしょうか。
最近は有名Youtuberの曝露で注目を浴びていますが、主に生配信で視聴者からの相談を多岐に渡って受けています。
エンターテイメントとしてのコンテンツで、虚言による相談を論破したり、
有名Youtuberの曝露をしたりとリアリティショーのような感覚で楽しめるため、毎回高い再生回数となっています。
個人的にはラジオ感覚でYoutubeを中心とした最近の社会情勢を幅広く知ることができること、また、カウンセリングの参考になるような情報が寄せられることもあり最近よく視聴しています。
今回はそんなコレコレチャンネルの生放送に寄せられた相談内容に気になるものがありましたので、解説を加えて注意喚起をできればと文章を起こしています。

結論から先に言うと、児童相談所は“児童を守る”ことを目的としています。
また、全ての国民に虐待を受けた(と思われるような疑いも含む)児童を発見した場合、通告義務が定められています。

様々な情報の中には、本当に児童相談所に通告して大丈夫だろうか、と不安を煽るものもありますが、国民の義務として正しい行いは子どもを守るための行動です。
ここだけはお間違いないように、ご理解のほどお願いいたします。

児童相談所に子どもが拉致された!?相談内容の抜粋

まずは、該当の動画をご覧ください。

2021年2月3日のライブ配信されたものでこちらのアーカイブの動画の1:13:24あたりかが該当の「児童相談所の闇がやばい…」という相談内容になります。

相談内容の概要

  • 児童相談所から子どもを一時保護された被害者が多数いる
  • 児童相談所は子どもを保護するとお金が入るため虐待をでっちあげている
  • 自分も虐待していないのに娘が保護されており、1年以上会えていない
  • 児童相談所は社会的に弱い立場の人を狙っている
  • ヤクザなど高圧的な態度の人が行くと返してもらえるケースもある
  • 家庭裁判所にも捏造された文章が提出され、法律も無視している
  • 一時保護は原則2か月までだが、児童相談所のさじ加減で何度も延長できるから1年以上保護され、施設入所になった
  • 息子をあたかも殺害したように言われており、虐待をした親向けのプログラムを受けないと返してもらえない
  • 拡散したい

また、児童相談所勤務だという別の凸者が以下のような解説をしています。

  • 児童相談所は対応件数が多く、そもそもノルマもなく、つぶれることはない
  • 虐待を親が認めないケースが多い
  • 通報がないと児童相談所は動けない
  • このような情報が拡散されて、通報されるべき人がされなくなることを危惧している
  • 児童相談所にはそこまでの権限はないので現場検証とかは警察と動く
  • 誤認保護については嘱託先が対応ケースが多いことが影響しているが、児相が訪問する際に誤認保護と通報されることもある

コレコレさんはというと…
ここはそんな重い話をするところじゃないんだけど…
どちらの話しも聞くとよくわからない。
地域によってもちゃんとしているところと、そうじゃないところがあるんじゃないかな。

と、内容が内容なだけに、深堀りは避けた感じですね。
さすが、生配信になれていらっしゃる!

それでは肝心の児童相談所の闇について解説します。

児童相談所の役割

児童相談所の役割はズバリ子どもを守ること。
児童相談所は、そもそも18歳未満の児童に関するあらゆる相談窓口として位置づけられており、虐待だけではなく子育てに関する相談に広く応じる法律に基づく専門機関です。
自治体によって内容に多少違いがありますが、大枠は法律で決まっています。

(1) 養護相談
保護者のいない場合、棄児の場合、離婚の場合、両親の病気の場合、虐待・放任の場合等

(2) 障害相談

(3) 非行相談

(4) 育成相談
育成相談は性格行動、しつけ、適性、不登校等
子どもが保護者から虐待等を受けているか、受けているおそれのある場合

(5) その他の相談
里親希望に関する相談、夫婦関係等についての相談等

参考https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv11/01-01.html

見ての通り、子ども本人からの相談、または子育てに関する相談ならほとんどが対象になります。
ただし、近年の情勢においては相談件数が急増しており、児童相談所は虐待等のより緊急性の高い相談を専門に応じている傾向があります。
それは、任意での相談窓口は保健師や保育士、教師、スクールカウンセラーなど他に多数あり、児童相談所にしかできない保護の機能を特化させることで緊急事案に対応しているともいえます。

ここで、今回取り上げられた一時保護についてご説明いたします。

一時保護の権限について

一時保護は児童相談所唯一の権限ともいえます。
児童相談所はあらゆる相談に乗れる機関ですが、あえて他の相談機関と違うところをあげるならば一時保護の機能でしょう。
たとえば配信上取り上げられていた、警察同行の下りですが、ここは少し誤解が生じていたので解説が必要ですね。

そもそも一時保護の判断は、児童相談所の権限なので児童相談所が行います。
逆に他の機関にはできません。
ただし、事件性が高い場合や、通告の状況によっては警察と一緒に訪問する必要があります。

これは現場検証の必要性や、親が子を出さない、家を開けない等の状況がある場合に児童相談所だけでは家屋に入る権限がないためです。
子どもが病院や保育園、学校など安全な場所にいて、一時保護する場合などは特に警察は必要ではなく、児童相談所が独自に保護をすることが多いです。
もちろん状況によって、夜間等に即座に児童相談所の保護ができないような状況のときは、一時的に警察が仲介することもあり、ケースバイケースです。

そして、

一時保護の第一の目的は子どもの生命の安全を確保することである。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv12/05.html

実はここに誤認保護の落とし穴があります。
つまり、通告内容によっては一時的に子どもが保護をされることが生じてしまう可能性があるのです。

例えば、近隣の住人が泣き叫ぶ子どもの声を聞いて通告したとしましょう。

児童相談所は虐待通告があった場合、通常48時間以内に子どもの安全確認を行います。
実際に子どもと会って、緊急性がないか確認をするのです。
その際に、子どもが親を恐れたり、痣や傷があったりすると、一時保護となる可能性が高まります。

また、例えばあるとき学生が万引きをし、親にバレて怒られるから帰りたくないと相談したとしましょう。

本人が相談した場合でも、本人が相談した誰かが通告した場合でも、本人が強く帰宅を拒否した場合には一時保護となる可能性があります。

以上のように、明らかな虐待の疑いがなくとも、一時保護となることは少なくありません。
逆に明らかに虐待がないと証明できない場合は、子どもの安全を最優先に一時的に保護される可能性は否定できません。

ただし、ここからが重要で

いかなる理由であっても一時保護となった場合、児童相談所はあらゆる調査を行います。
児童相談所というとあたかも単なる行政の部類に感じる方もいますが、児童相談所には医師や保健師、児童心理司、児童福祉司等多数の専門職が携わり、組織として判断をしていきます。
また、必要に応じて関係者からの情報収集も行います。

そのなかで、危険性がなければ即座に保護解除となります。

また、一時保護は原則2か月以内となっているため、その間に安全性が確認できなければ、家庭裁判所の審判を経て延長されることもあります。

この場合は児童相談所の権限を超えての判断になるため、児童相談所も相応の根拠が必要になります。
家庭復帰が難しい場合には、施設入所や里親委託になることも視野に入ってきます。
そして施設入所となった場合でも、児童はいずれ自立していくことが前提となるので、将来の選択肢には家族との同居も含まれます。
子どもの立場からみて、家庭復帰が望ましければ、施設入所となった後も家庭への支援も継続されます。

まとめ

憶測で判断をするのはよくないのですが、今回の相談内容を聞く限りは凸者の内容は嘘ではないにせよ、理解に偏りがあるのではないかと思いました。
子どもの事故死や傷等は故意でなくても、親の不注意などの状況があったと捉えれば、家庭復帰には両親の養育をサポートする必要があるとの判断がなされたのではないかと思います。


凸者がいうように殺害ではないので警察につかまることはありません。ただしだからといって虐待はしていないと言い張るには根拠が乏しいと言わざるを得ません。当時1歳数か月であったお子さんが窒息死した悲劇は、防げなかったものか…

適切な養育環境だと認められていたならば、調査を経て妹は早期に家庭復帰されていたと想定されます。生後数か月の子どもは自ら動きまわることはできないため、外傷は外部からの影響が大きいと考えられます。
たとえ、1歳半の兄がつけた傷であったにせよ、その状況をみていなかった状況は看過できません。

親が手をあげることだけが虐待ではありません。

凸者さんは、子どもの死や傷をどのように受け入れて、養育にはどのような危険性があるのか理解することが大切です。
一度面会した際に、子どもとの関わる様子なども児童相談所では観察されています。

しっかり児童相談所のプログラムを受けて、周囲のサポートを受け入れながら子どもも両親も愛情に満ちた家庭を築いてほしいですね。

国民の義務としての通告

児童相談所も地域によって対応に差があり、特に最近は民間委託等によるトラブルも聞くことがありますが、なにをもってしても大切なのは子どもを守るということ。

児童相談所の不適切な対応があれば、それはそれで児童相談所の課題として改善していく必要があります。

ですが、私たち国民には児童虐待を発見した場合、たとえそれが疑いであっても通告する義務が法律で定められています。
私たちがまずは子どもを守るという意識を持つことが重要で、通告が子どもを守ることにつながっているという事実を理解しておくことが先です。

児童相談所の介入を回避するには

どうやったら自分の可愛い子どもを奪われないかと不安なあなたに…あくまで参考としてですが以下のようなことを意識してみてください。

  • 虐待をしない(疑いになることを含めて)
  • 親類や近隣との良好な関係を維持する
  • 検診や病院、保育所や学校等子どもに関わる専門機関からの意見を柔軟に受け入れる
  • 家族が安定した生活を送る

こういう状況があれば、仮に通告を受けた場合でも子どもを剝奪される可能性は極めて低くなります。

それでは、みなさまの幸せな生活を願って…また次回。