公認心理師試験対策/第3回試験の事例問題で不正解だった8問を紹介!/捨てる問題の見極めをしよう!
公認心理士試験に関する記事第3弾。
前回の記事を読んでない方はこちらから。
今回は私が試しに解いてみた第3回試験の結果のうち、事例問題で落とした8問を紹介します。
先に申し上げると、この8問の範囲は無視して構いません!
多くの人が取れない問題はスルー、みんなが取れる問題を学習し確実に点数を取ることが時短勉強の基本。
取れる問題を落とさないようにすることが合格への近道なのです。
学習範囲の参考にしていただくため、それぞれの問題の正解率も一緒に参考にされてください。
正解率は公式からは出ていないため、心理系予備校のプロロゴスが集計したこちらの938人分のデータを使用します。
目安としては50%以上の正解率の問題は学習必須と考えて良いでしょう。
もし間違えた場合は解説を理解し、きちんと覚えておきましょう。
それでは早速ご紹介します。
第3回試験で不正解だった事例問題
石けんの香りが机を清潔に保とうとする行動に影響を与えるかにつ
いて実験を行った。香りあり条件と香りなし条件を設けて、机の上の消
しくずを掃除する程度を指標として検討した。その結果、全体的には香
りあり条件と香りなし条件の差が検出されなかったが、尺度で測定され
た「きれい好き」得点が高い群は、全体として「きれい好き」得点が低い群
よりもよく掃除をした。さらに、高い群では香りあり条件と香りなし条
件の差は明瞭でなかったが、低い群では、香りあり条件が香りなし条件
よりも掃除をする傾向が顕著に観察された。
この実験の結果の理解として、正しいものを1つ選べ。
① 交互作用はみられなかった。
② 実験要因の主効果は有意であった。
③ 「きれい好き」要因の主効果は有意ではなかった。
④ 実験要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
⑤ 「きれい好き」要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
正解率33.9%
こちらの正解は⑤です。
みなさんわかりましたか?
私は前回の記事でもお伝えしましたが、社会調査の範囲は苦手分野なのでそもそも学習していません。
正解率も低いようですし、そもそもブループリントでも出題割合も低いので、わからなくても心配無用です。
30歳の男性 A、自営業。A は独身で一人暮らし。仕事のストレス
から暴飲暴食をすることが多く、最近体重が増えた。このままではいけ
ないと薄々感じていた A は、中断していたジム通いを半年以内に再開
するべきかどうかを迷っていた。その折、A は健康診断で肥満の指摘
を受けた。
J.O.Prochaskaらの多理論統合モデル<Transtheoretical Model>では、
A はどのステージにあるか。最も適切なものを1つ選べ。
① 維持期
② 実行期
③ 準備期
④ 関心期(熟考期)
⑤ 前関心期(前熟考期)
正解率66.1%
こちらの正解は④です。
んんんんん?申し訳ありません。
偉そうに記事を書きながら6割超えの問題を落としてしまいました。
ちなみに私が選んだのは⑤…
こういうこともありますね。
行動変容に関する問題は第2回試験でも出題されていますので学習はマストですね。
以下の動画で理解を深めてください。
16歳の女子 A、高校1年生。A は、食欲不振、るい痩のため1週
間前から入院中である。高校に入学し、陸上部に入部した後から食事摂
取量を減らすようになった。さらに、毎朝6時から走り込みを始めたと
ころ、4か月前から月経がなくなり、1か月前から倦怠感を強く自覚す
るようになった。入院後も食事摂取量は少なく、「太ると良い記録が出
せない」と食事を摂ることへの不安を訴える。中学校までは適応上の問
題は特になく、学業成績も良好であった。自己誘発嘔吐や下剤の乱用は
ない。身長は 159 cm、体重は 30 kg、BMI は 11.9 である。
公認心理師の A への支援として、不適切なものを1つ選べ。
① 食事へのこだわりを外在化する。
② Aの家族に治療への参加を促す。
③ 部活動への葛藤について傾聴する。
④ 栄養士の助力を得て食事日記を付けることを勧める。
⑤ 点滴を受けて、栄養状態を速やかに改善するように勧める。)
正解率55.7%
こちらの正解は⑤です。
またもやってしまった。
私は⑤は優先的であるにせよ医療的行為であり、医師の範疇かと思い別の選択肢を選んでしまっていました…
事例は捉え方次第で微妙なものもあるので要注意ですね。
きっと半数近くの方は同じように間違えたのだと信じたい…
8歳の男児 A、小学2年生。授業についていけないという保護者
からの主訴で、児童精神科クリニックを受診した。家庭生活では問題な
く、勉強も家で教えればできるとのことであった。田中ビネー知能検査
では IQ 69、Vineland-Ⅱでは、各下位領域の v 評価点は9〜11 であっ
た。
A の評価として、最も適切なものを1つ選べ。
① 知的機能が低く、適応行動の評価点も低いため、知的能力障害の可能
性が高い。
② 知的機能は低いが、適応行動の評価点は平均的であるため、知的能力
障害の可能性は低い。
③ 保護者によると、家庭生活では問題ないとのことであるが、授業につ
いていけないため、学習障害の可能性が高い。
④ 保護者によると、勉強も家で教えればできるとのことであるが、授業
についていけないため、学校の教授法に問題がある可能性が高い。
正解率44.3%
こちらの正解は①です。
こちらは私がVineland‐Ⅱのテスター経験がないため完全に知識不足でした。
同じように知能検査の理解は多くの心理師が持っているので、文章問題と照らして多くの人が②を選択したことと推測します。
25歳の男性 A、会社員。A は、上司 B と共に社内の相談室に来室
した。入社年目であるが、仕事をなかなか覚えられず、計画的に進め
ることも苦手で、B から繰り返し助言されているという。B によれば、
同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まり
事に気がつかなかったりすることもあり、職場の中でも煙たがられてい
るという。会社以外での対人関係で困ることはない。この1か月は早朝
覚醒に悩まされ、起床時の気分も優れなかったため、会社を何日か休ん
だ。BDI-Ⅱの得点は 42 点、AQ-J の得点は 35 点であり、Y-BOCS の
症状評価リストは項目が該当した。
A に関する見立てとして、最も適切なものを1つ選べ。
① 軽度抑うつ状態
② 強迫症/強迫性障害
③ 社交不安症/社交不安障害
④ 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>
正解率64.5%
こちらの正解は④です。
何度もすみません。こちらは言い訳なしで、凡ミスです。
事例では検査に関する設問が多く出題されるので、幅広く把握しておく必要がありそうですね。
6歳の女児 A。A は離婚した母親 B と共に、B の実家で祖父母や
叔母と住んでいる。実家の敷地内には、伯父夫婦やいとこが住んでいる
家もある。昼過ぎから深夜にかけて仕事に出ている B に代わり、祖父
母や叔母がときどき農作業の手を休めて、A の世話をしている。いと
こたちが学校や幼稚園から帰宅すると、A は年長のいとこに見守られ、
ときには抱っこされながら、夕食までの時間を過ごしている。
A に対する養育の解釈として、最も適切なものを1つ選べ。
① クーイング
② コーチング
③ マザリーズ
④ ミラーリング
⑤ アロマザリング
正解率24.3%
こちらの正解は⑤です。
こちらはわからなくてもよいかと思います。以上。
30歳の男性 A、会社員。独身で一人暮らしである。A は、職場で
の不適応感を訴えて精神科を受診した。幼少期から心配性と言われてき
たが、ここ半年ほどでその傾向が一層強まってきた。仕事で失敗した
り、失業したりするのではないか、重大な病気にかかっているのではな
いかなど気になって仕方がない。自分でも心配しすぎだと分かってはい
るが、いらいらし、仕事にも集中できず、疲労がつのる。寝つきも悪
く、しばしば早朝に覚醒してしまうこともある。
医師から A の状態をアセスメントするよう依頼された公認心理師が、
A に実施するテストバッテリーに含めるものとして、最も適切なもの
を1つ選べ。
① AQ-J
② CAPS
③ GAD-7
④ LSAS-J
⑤ Y-BOCS
正解率14.2%
こちらの正解は③です。
選択問題なので単純に5分の1の確率で正解するはずの問題で、確率以下の正解率なのでほとんど無視しても良いでしょう。
16歳の男子 A、高校1年生。A は、友達と一緒に原動機付自転車
の無免許運転をしていたところを逮捕され、これを契機に、教師に勧め
られ、スクールカウンセラー B のもとを訪れた。A には非行前歴はな
く、無免許運転についてしきりに「友達に誘われたからやった」「みんな
やっている」「誰にも迷惑をかけていない」などと言い訳をした。B は、
A の非行性は進んでいるものではなく、善悪の区別もついているが、
口実を見つけることで非行への抵抗を弱くしていると理解した。
BがAの非行を理解するのに適合する非行理論として、最も適切な
ものを1つ選べ。
① A. K. Cohen の非行下位文化理論
② D. Matza の漂流理論
③ E. H. Sutherland の分化的接触理論
④ T. Hirschi の社会的絆理論
⑤ T. Sellin の文化葛藤理論
正解率24.7%
こちらの正解は②です。
どれも難しい理論で全てを把握している人は恐らく少ないでしょう。
はっきりと落とす問題だと思います。
まとめ
以上、私が試しに解いてみた第3回試験で間違えた事例問題をご紹介させていただきました。
事例と言いながらも実験や統計について、検査や理論についての知識問題については正解率が低い傾向にあることがわかります。
一方で、公認心理師としてどのような行動をとるかといった、より経験や感覚で選択できる設問は高い正解率となっています。
まずは過去問から事例問題の傾向を知り、そういった基本的な価値観や職務の理解を怠らないようにしましょう。
事例問題はGルートで受験する方々の得意な範囲かと思われます。
6割以上の人が取れている問題を確実に取れるように意識して補習を行いましょう。
受験勉強中の方の参考になれば幸いです。