校則って誰が決める?守らないとどうなる?ブラック校則と相談窓口について

お悩み

まつげエクステのリペア中、隣のお客さんとスタッフの会話。

そのお客さんの子どもさんの通う中学校は割と校則が厳しく、

アイプチや下着の色の検査があったり

まゆげも中央部分を剃るのも禁止

前髪はピンで横止めはOKだけど上にねじり上げるのは禁止

などなど、お母さん自身非常に納得ができないようなことで日々子どもたちが注意を受けているようでした。

きっと、同じように理不尽な校則に翻弄されている児童・生徒さん、保護者さんが多くいらっしゃるだろうと思い今回は校則についてわかりやすくお伝えします。

校則の定義

「学」の「規」と書いて校則というわけですが、何をもって校則というのかということについて最初に考えてみましょう。

校則の根拠

どの学校にも基本的に校則はありますが、法律上の根拠は曖昧です。

そうです。学校が校則を制定しなければならないという決まりはありません。

一方で、教育基本法第6条において、学校は「教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。」とし、教育は「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。」と定めています。

学校は、指導の一環として生徒等に守らせるべき規律として校則を定めている、と考えるのが適当かと思います。

校則は誰が決める?

では、どうやって校則を定めているのでしょうか。

それも結論としては学校ごとに異なります。

一般的には、教職員の会議等を通して決定されるようですが、児童生徒等の意見を取り入れたりする学校もあるようです。

基本的には生徒手帳でいう「生活心得」「服装規定」「自転車通学規定」等として示されるものが校則と言えますが、

広義にはもっと学校生活上の細かい指導を含んで「校則」と呼んでいる傾向があります。

ただ、細かい生徒指導上のルールについては、ちゃんと学校内で一貫した理解のもと指導されているのかと言われると、正直疑問です。

ブラック校則の現状

冒頭で紹介したような校則は、少数というわけでもなく、わりとどこの地域でも見聞きします。

私自身、学校に出入りすることもあるのですが、最近見聞きしたのは

・女子同士が休み時間腕を組んでいることについて注意を受けている

・長袖の制服(カーディガン等)を着用できる期間が定められているので個人的に寒くても調整できない

・生徒用トイレ内の鏡がすべて使用できないようにポスター等で覆われている

・給食中の私語禁止

・髪の毛をまとめるヘアピンの本数制限

・肩以上の長髪の場合、髪をおろすのは禁止、だけどポニーテールは禁止

このような理解しがたいブラック校則の現状は、校則というよりも各教職員の判断による生徒指導だと捉えたほうがしっくりきますね。

校則の罰則規定

それでは、校則に違反した場合に罰則を受けることはあるのでしょうか。

まずお伝えしたいのは、

学校教育法

第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、監督庁の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。但し、体罰を加えることはできない。

いかなる場合も、体罰は法的に禁止されているということです。

たとえ守るべき校則に違反したとしても、体罰を受けることはあってはなりません。

懲戒について

学校教育法施行規則
第26条 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に
応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。
2 懲戒のうち、退学停学及び訓告の処分は、校長が行う。
3 前項の退学は、公立の小学校、中学校又は特別支援学校に在学する学齢児
童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行う
ことができる。
一 性行不良で改善の見込がないと認められる者
二 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
三 正当の理由がなくて出席常でない者
四 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者
4 第2項の停学は、学齢児童又は学齢生徒に対しては、行うことができない。

上記による通り、「懲戒」には「退学」「停学」「訓告」があります。

退学と停学は説明するまでもありませんが、訓告とは「校長自らが児童生徒に注意を与え将来を戒めること」とされています。

義務教育である小・中学校では退学や停学はありませんが、私立学校や高校は退学や停学になる可能性があります。

■学校種による懲戒の及ぶ範囲■

校 種 退 学  停 学   訓 告
公立小・中学校 × ×
国・県・私立小・中学校 ×
高等学校・中等教育学校

また、校長自らが行う「訓告」に比べて、日常的に行われている懲戒として、以下のような指導は認められています。

・ 放課後等に教室に残留させる。
・ 授業中、教室内に起立させる。
・ 学習課題や清掃活動を課す。
・ 学校当番を多く割り当てる。
・ 立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる。
・ 練習に遅刻した生徒を試合に出さずに見学させる。

参考:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1331908.htm

校則トラブルを解決するには

きっとこの記事にたどりついた読者は、一度は理不尽な校則の指導を受けた経験があるのではないかと思います。

多くの生徒は、それも社会の流れとして受け止めて、納得できてもできなくても自分の中で折り合いをつけてきたのかもしれません。

ただし、内容によっては行き過ぎた指導、そして体罰に至っていることも少なからずあります。

昔と比べて現在の教育や子どもの質を批判する前に、今まさに苦痛を強いられている児童・生徒がいる場合は本人がきちんと自分の言葉を発言できるように考えてあげましょう。

言葉を聞いて本人が間違った認識であれば納得できるまでしっかり話し合いをしましょう。

本人に落ち度がない場合は、誰かが介入しなければ解決することはできません。

児童・生徒は立場上、個人で解決することは難しいのです。

相談窓口

学校内に信頼できる教職員がいる場合は話してみることもできますが、それだけで解決することは難しいかもしれません。

ほとんどの学校では教職員以外に「スクールカウンセラー」や「スクールソーシャルワーカー」等の第3者に相談することが可能です。

またそれ以外にも身近な行政の中で「福祉課」や「支援課」、「教育課(教育委員会)」等と呼ばれる課に相談窓口があります。

行政は地域内の学校の情報を把握していますのでいち早く対応してくれる可能性が高いです。

しかし、地方になると地縁により相談しにくい場合もあるかもしれません。

以下は全国共通の相談窓口になります。

誰にも相談できない場合は相談してみましょう。

子どもの人権110番

0120-007-110(全国共通・無料)

平日午前8時半~17時15分

法務局・地方法務省の職員、または人権擁護委員が相談に応じ、一緒に解決の方法を考えます。

詳しくはこちら:http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html

メールでの相談窓口はこちら:https://www.jinken.go.jp/

児童相談所

こどもに関するあらゆる相談に応じる全国共通の相談機関です。

189(全国共通)

詳しくはこちら:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/

まとめ

本人が困っていなければいかなる校則も問題はありませんが、児童・生徒に不利益が生じている場合は社会で守る必要があります。

相談機関は民間も含めて多数あります。

相談できる場所が複数あることを知っていると心強いですね。